2025年1月6日

休日はおいしい料理や良い景色を求め出掛けることが多いのですが、
職業柄、建物を見に行くことがよくあります。

先日は、神奈川工科大学にあるKAIT工房 / KAIT広場(設計:石上純也)を訪れました。

左:KAIT工房 右:KAIT広場

近年私立大学では、学生を獲得のため、新しい施設に力を入れているように思われます。
この2施設も、学生の利用に加え、CMやMV撮影等に利用されているため、どこかで見かけたことがあるのではないでしょうか。

KAIT工房は、金属や木材加工、3Dプリンター等の設備と専門スタッフが常駐した学生のための工房施設です。薄い柱のみで荷重を支えていますが、その柱が設備や製作のきっかけになっているような使われ方でした。製作物が釣られていたり、工具が置いてあったりするのですが、人がよく通る場所だけ道の様にうっすらとひらけていたりして、森の中の けもの道 といった印象です。

KAIT工房

KAIT広場は、屋根の開口から雨水が滝のように流れ落ちていました、そしてすり鉢状の広場中央では、透水アスファルトが目詰まりし、大きな水たまりができていました。
係員の方曰く、設計意図とは異なるとのことで、建物内に水溜りとは、ヒヤッとする感じもあります。ただ、子供たちはじゃぶじゃぶと楽しそうに遊んでおり、私も友人達と水たまりを囲んで小一時間過ごすなど、キャンパスから少し切り離されたような独自の空間でした。

KAIT広場

どちらもモノの力強さを再認識させられるような建築でしたが、それ以上に場所によって利用者同士の微妙な視線・音の距離感や、光や風の抜け方を感じることができ、一人でもグループでも居心地のよさを見つけられるような場を体験したように思います。